フランスのサイトでクッキー規制が強化

日本のウェブサイトを利用すると、PCやスマホにクッキーが勝手に保存され、ショッピングカートに入れた商品だけでなく関連する広告が自動的に表示されるようになりますよね。

フランスでは今年4月1日からクッキー規制が強化され、ユーザーがサイトに初めてアクセスするときに、保存されるクッキーの目的(サイトの利用に必要不可欠なクッキー、データ分析用クッキー、広告用クッキー、など)を表示し、各種クッキーの使用を承諾するか否かの意思確認をユーザーに行うことが徹底されるようになりました。

もともと2009年の規制改正で、「サイトの利用に必要不可欠なクッキーについてはユーザーの承諾は必要ないが、ターゲティング広告表示のためのクッキーについては承諾が要る」とされたのですが、実際は、「このサイトでは広告用クッキーを使用します」と表示すれば便宜上使用が承諾されたものとみなされ、広告用クッキーの使用を拒否するユーザーは、拒否のための意思表示画面を探してアクセスし(←往々にして非常にわかりにくい)、意思表示を行う必要がありました。

その後、2018年に適用され世界的にも大きな影響を与えた個人情報保護のためのEU規則(通称GDPR)によって、サイトで使用するクッキーの目的と、ユーザーの承諾意思(「すべて承諾する」)を表示する旨の規定が設けられました。

これに関してさらにフランスの管轄当局であるCNILが2020年10月にターゲティング広告に関する勧告を出し、ユーザーのクッキー承諾意思の具体的な表示方法を示したうえで、違反企業には2021年4月1日から最大2000万ユーロまたは世界売上高の4%の罰金を科すことにしたのです。

そこで肝心の表示方法ですが、クッキーの目的ごとに使用を承諾するか否かを選べるようにすることに加えて、一括選択ボタンとして「すべて承諾する」だけでなく「すべて拒否する」(または「承諾せずにサイトの利用を続ける」)も設けるべきだとされています。私が見る限り、実際にこれにならった表示方法が現在はフランスの各サイトで実施されているようです。


(IKEAフランスのサイトより。”Tout autoriser”はすべて承諾、”Tout refuser”はすべて拒否)

ただこの規制にも抜け道があり、Google、Amazon、Facebookなどを利用するユーザーはアカウントを作らなくてはなりませんが、これらのプラットフォームに必要不可欠なクッキーで集めたデータに基づいて、ターゲティング広告表示がされるそうです。

また、上記CNILが規制できるのはフランスのウェブサイトのみで、多国籍企業でEU内の他国に本拠地を置く企業(例えば多くの企業が税制上の理由からアイルランドに欧州本社を置いている)のサイトには、CNILが規制を課すことはできません。EU内の他国も今後徐々に足並みを揃えていくことになるとは思いますが…。

そんなわけで、現在少なくともフランスのサイトでは、使用するクッキーの目的と、これらを承諾するか拒否するかの選択肢が表示されるようになっています。

このやり方に慣れてしまうと、ユーザーに無断で広告用クッキーを保存する日本などのサイトがずいぶん野蛮というか遅れているように感じられることに、自分でも笑ってしまいます。