総選挙が終わって

先日、国民議会(下院)の総選挙が終わりました。

投票前は与党連合Ensemble !(中道。マクロン大統領のLREM「共和国前進」などの政党から構成)が絶対過半数をとれるかどうかに注目が集まっていましたが、フタを開ければ大幅な過半数割れ。

でもそれ以上に誰もがびっくりしたのが極右RN(国民連合)の大躍進。前回2017年の選挙での獲得議席数8から、今回は89へと11倍以上の増加です。

国民議会で与党連合に次いで第2勢力となったのは左派連合NUPES(極左政党「不屈のフランス」、社会党、共産党、環境政党)ですが、選挙後は、各党の政策の違いのため議会で一枚岩というわけにはいかないようです。

過半数をとれなかったマクロン大統領は焦って主要政党の代表を次々招いて会談し、今後の議会運営について検討しています。

ところで、今回の選挙でもう1つ大きな話題となったのが、アフリカ(コートジボワール)出身で元ホテル清掃係の黒人女性ラシェル・ケケ氏の当選。2015年にフランス国籍を取得しパリのホテルで働いていましたが、労働条件改善を求めて長期ストを実施し勝利。そんな彼女に左派連合が目をつけ今回の立候補となりました。有力な対立候補(元大臣)を破っての快挙に本人も大喜びですが、仏語力をはじめ彼女の議員としての能力に不安を抱く人々が多いのも事実。そんな反応に彼女は、「私はCM2(小学校最終学年)レベル。だからジャーナリストさんたちは私をテレビ番組に呼ぶときは私のレベルに合わせてね」とコメントして失笑を買っています。

今回の選挙ではほかにも意外な職業の人たちが当選しています。タクシー運転手(左派連合)、宅配ドライバー(国民連合)、ボクサー(国民連合)、抽象画家(左派連合)、有機栽培りんご農家(与党連合)、船員(国民連合)、消防士(与党連合)など。左派から中道、極右まで、属する政党も様々ですが、多様な層の意見が国政に反映されるのはよいことだと思います。日本ではタレントが当選したりしますが、知名度だけで担ぎ出されて後から動機をこじつけているような気がします。

ちなみにパリでは、西側の選挙区で大統領の与党連合、東側で左派連合が勝利をおさめ、見事に(?)二分されました。